日本全国で空き家が増え続けており、2013年の時点で約820万戸以上あると言われています（野村総合研究所調べ）。日本全体で空き家問題が深刻化しており、管理や安全性の問題から、対応が急がれます。所有者にとっては、どのように対応するか専門知識がなければ難しいところ。そこで今回は、所有者の要望別に、空き家をどのように管理していくべきかを考えます。

所有者の悩みは様々　解体せずに空き家を活用する方法も

空き家をどのように管理するのか、対応は４つに大別されます。

1.現状維持
2.安全のため解体
3.土地活用して収益化を目指す
4.建物の再利用

空き家は相続したり、かつて住んでいた家を仕事などの事情により長期的に空けていることがほとんど。今後、もう一度住む予定があるのかないかで、管理・活用の方法は大きく異なります。

空き家の現状維持は訪問管理サービスが便利

現状維持する場合を考えてみましょう。親から相続した家を解体するのは気が引けるけど、管理まで手がまわらない。そういった場合は、空き家管理業者に管理を委託することが考えられます。また、状態が良い場合は、貸家として第三者に貸し出すことも可能です。不動産会社がサービスを提供しているケースが多いので、一度相談してみると良いでしょう。

現状維持の場合、訪問管理サービスを活用してもいいかもしれません。定期的に換気するだけでも、湿気が抜けて家が傷みにくくなります。月に1度の、安価なサービスでも十分効果的です。

空き家の解体は補助金が出るケースも

老朽化した空き家の場合、不安になるのが倒壊するリスク。地震や台風などの災害で空き家が倒壊して道路を塞いでいる光景は珍しくありません。平時であっても、柱などの老朽化により突然倒壊する恐れがあります。その時に、道路に歩行者や車がいると取り返しがつかないことになります。

そのため、老朽化した空き家を改修できない場合は、解体する必要が出てくるのです。コストは掛かりますが、自治体によっては補助金が出るケースもあります。

老朽化は日に日に進行していくので、対応が長引けば長引くほど、倒壊のリスクは高まります。解体費用が不安な場合は一度、自治体や専門家に相談してみることをオススメします。

空き家・更地を土地活用することで収益化

空き家の状態でも、更地の状態でも、高額な固定資産税が発生します。利用せず、支払いだけが発生するのは負担も大きいものです。

その場合、積極的な土地活用により、税金を抑え、かつ収益かも期待できます。初期費用こそかかりますが、高収益を生む可能性があるアパート・マンション経営や、初期費用なしで、安定的な収入が得られるコインパーキング経営など、状況によって活用方法もさまざま。立地や契約条件によっては、管理会社や不動産業者が、解体費用を負担してくれるケースもあります。

空き家のリノベーションは資産価値が高まることも

「解体するのは嫌だけど、そのままにはしておけない」。そんな場合は、リノベーションがオススメです。最近では空き家の再活用でリノベーションを扱う施工業者も増えてきました。

リノベーションすると、資産価値が高まることもあります。賃貸や売却を考えると、選択肢として残るかと思います。また、費用こそかかりますが、元の空き家を基本として大幅に改修するので、愛着のある家を残していくことができます。

補助金の支給や減税の対象となるケースもありますので、よく調べてみましょう。

しっかりとした管理・活用のためには専門家に相談を

なにげなく相続した土地や空き家も、大切な資産です。しかし、何もしなければ宝の持ち腐れ。それどころか倒壊などの事故に繋がると、取り返しのつかないことになってしまいます。

長期的にどのように管理・活用していくのかをしっかり考えていく必要があります。もし具体的なイメージがわかなければ、自分にどのようなスタイルが向いているのか一度専門家に相談してみるといいでしょう。