レイアウトに境界線のフェンス コインパーキングの設計はここまで考え抜く
普段何気なく利用するコインパーキング。立地や土地の形状によってレイアウトはさまざまです。レイアウト設計の裏には、駐車場管理会社の苦労と努力が隠されています。
今回は、その一端をご紹介しましょう。
住宅街にあるコインパーキングのケース
たとえば住宅街の、あるコインパーキング。広は75坪ほどです。
このコインパーキングを管理するアークホールディングス株式会社によると、土地オーナー様から「10台ほどでコインパーキングができないか」と相談があったといいます。
うち2台はオーナー様の自家用車の駐車スペースとしたいとのことで、8台ほどをコインパーキングにしたいとの要望でした。
その土地は住宅街ということもあり、両隣にアパートとマンションが建っています。マンションとの境界線にはブロック塀がありましたが、アパートとの境界線は新たに人工物を設置する必要がありました。
同社は、駐車場の工事担当者と協議。その結果、フェンスを設置したといいます。一体、なぜでしょうか。
総合的な判断でフェンスを選択
コインパーキング(駐車場)を設置する上では、第一に安全性を考えなければいけません。次いで、近隣住民の方々のご迷惑とならないようにする必要もあります。さらには、コインパーキング利用者の利便性も考慮しなければなりません。
アパート1階には住人がいらっしゃいました。ブロック塀にしてしまうと日中光が入りませんが、フェンスなら問題ありません。安全性も担保されます。そして利用者にとっても視認性が高く駐車しやすい。総合的に検討した結果、フェンスを選択したというわけです。
レイアウトにも工夫が
精算機の場所にも工夫が見られます。防犯も考慮して、駐車場の入口付近に設置しました。同様に、レイアウトについても入念な調査に基づいて設計されています。
駐車場利用者が車の出し入れをしやすいよう、T字型のレイアウトにしてあります。
同社の担当者によると、土地の形状や利用者属性の分析から、軽専用の車室を多めにすることもあるそう。
緻密な調査にもとづいて、土地オーナー、近隣住民、利用者の三者すべてのことを考えたコインパーキングの工事やレイアウト設計が行われています。
今や社会インフラともなったコインパーキングの裏には、知られざる工夫があるのです。
- 関連記事
-
- 関連記事はありませんでした