コインパーキングと月極駐車場の管理面・収益面の違い
駐車場経営は、初期費用が少なく、運営・管理も比較的簡単なことから、初心者でも副業として始める人が増えています。月極駐車場とコインパーキングの経営について、利回りや費用などの違いなどについて説明します。
稼働率と空室率に見る収入の違い
駐車場を経営しようとする場合、運営形態は概ね「月極駐車場」と「コインパーキング」の二者択一となります。経営方法は月極駐車場の場合、借り手の募集から集金、トラブル対応まで一切の運営・管理を自身で行う「完全自主管理方式」、業者に手数料を支払い、運営・管理を任せる「管理委託方式」、契約した業者から毎月一定額が支払われる代わりに手数料は管理委託方式よりも高い「一括借り上げ方式」の3種があります。
コインパーキングは、精算機やロック板など専用設備の初期投資を自前で行う「自己経営方式」と、業者に行ってもらう「土地賃貸方式」があります。土地賃貸方式は、業者から毎月一定の地代を受け取ることができますが、自己経営方式よりも収益は低くなりがちです。
次に収益についてですが、利益率は立地に大きく左右されます。月極駐車場の1台あたりの賃料は東京の一等地では5万円程度、政令指定都市で1〜3万円、その他の地方では5000円〜1万円が目安となり、実質利回りは4%程度です。既に土地を持っている場合は実質利回りが50%を超えることもあるようです。
コインパーキングの平均的稼働率は50%、好立地で70%程度。実質利回りは4%程度です。例えば都内で10台分のスペースがある月極駐車場で1か月の賃料が2万円とし、年間の管理コストと税金の負担が80万円と仮定します。この場合、1年間の収入は、240万円(2万円×10台×12か月)で最大収益は160万円。稼働率8割で年間売上は192万円となり、収益は112万円となります。
同様のケースでコインパーキングに置き換えた場合、1時間の平均駐車料金が400円、1日あたりの稼働時間を6時間、年間の管理コストと税金の負担が250万円と仮定すると、1年間収入は876万円で、収益は626万円です。しかし、稼働時間が5時間となると、収入が730万円で収益は480万円にとなるなど、稼働率で大きく収入、収益は左右されます。
管理形態で異なるオーナー業務
駐車場オーナーの業務は運営管理を自身で行う完全自主経営方式や自己経営方式と、業者に任せる委託管理方式や土地賃貸方式で全く異なります。
業者に任せる場合、月極、コインパーキングともに概ね毎月通帳を見て入金確認でだけで済みますが、自身で運営管理をするとなると当然、経営責任を持つ必要があります。業務は、駐車場の設営や機材の設置から始まり、広告など利用促進のための営業活動、精算機やフラップの状況確認やメンテナンス、清掃、集金、さまざまなトラブルやクレーム、予期せぬ災害への対応、決算や申告など、多岐に及びます。
全て一人で行うのは、難しい側面もあります。委託業者を調べ、信頼できる業者とパートナーを組み、的確な経営判断のもと、コツコツと安定的に収入を上げることがもっとも確実な経営方法です。
初期費用・維持費はコインパーキングがお得
コインパーキングを始めるには、初期投資が必要となります。項目は土地の調査費から始まり、精算機の設置、アスファルト舗装と街燈やフラップ設置などの工事費、看板設置などの費用です。
精算機は1台80~90万円、工事費は規模によりますが100万円からというのが目安となります。ランニングコストは電話受付、警備、光熱費、機械のメンテナンス費用が必要です。自分ですべて経営する場合は、全額負担しなければなりませんが、一括借り上げ方式は、すべて委託した業者が支払うため、初期費用なしで経営をスタートができ、毎月のランニングコストもかかりません。
メンテナンスなどの管理も不要なので、ほぼ不労所得で毎月安定した収入を得ることができますが、収入は駐車台数と稼働率に大きく左右されるほか、委託業者によって変わってきます。
信頼できる駐車場管理会社をパートナーに
駐車場経営は社会情勢や周辺環境により変化しますが、アパートやマンション経営に比べてハードルが低く、一旦始めても転化しやすいといった利点もあります。なかでも一括借り上げ方式は初期投資やランニングコストをかけず、収入が得られるため、注目されていますが、委託業者により条件や収入が変わります。複数の業者と相談して見積もりをとったうえで、信頼できる駐車場管理会社を選び、パートナーを組んで運営す
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