駐車場専門の工事業者に聞く、駐車場ができるまで
駐車場経営を始める際、最初に必要となるのが駐車場の整備です。利用者が安心できる駐車場を作るには、しっかりと設計し、安心できる業者に依頼しなければなりません。実際に現場ではどのように作業しているのか、駐車場の施工を専門で請け負う(株)オリバ(東京都渋谷区)のサブチーフ・戸田直人さんに、駐車場を作る工程や心がけている点について話を聞きました。(聞き手・駐車場経営マガジン編集部)
駐車場を専門に解体からオープンまで一括して請負う
-オリバさんは駐車場工事専門の企業と伺いました。
戸田直人さん(以下、戸田さん):駐車場機器の設置をメインに、舗装や土木工事をやらせていただいてます。基本的に駐車場管理会社から依頼を受けて、コインパーキングを作る流れです。例えば、古い家屋を取り壊してコインパーキングにする案件であれば、解体から基礎、舗装、設置とオープンまでをすべて請け負うケースもありますね。
-駐車場を一から作り上げるんですね。
戸田:私達は施工から取り組んでいるので、現場に関してだけにはなりますが、そうですね。それより前の部分は、基本的に駐車場管理会社がオーナさんと話し合った上で、配置を決めています。したがって、それに合わせて工事を進めていくことになります。その中で現場を見ると違うこともあるので、都度、管理会社と話し合いながら進める場合もあります。
見た目の美しさだけでなく安全面や近隣への配慮も
-駐車場を作る上で大切にしていることはなんですか。
戸田さん:まず、第一に安全面ですね。配置や出入りのしやすさはもちろん、看板などは高所に立てますので、台風などの災害で倒れたりしないように頑丈に作っています。
駐車場管理会社に対して駐車場を素晴らしい状態で提供することは、常に意識しています。それは、外観の美しさだけではありません。機械の動作不良が起きないよう、整備には細心の注意を払います。安心して使える状態であることが、私たちの仕事においては何より大切なんです。
-つい見た目の美しさを追求しがちになりますが、それ以外のさまざまな部分にも気を配ってらっしゃるのですね。
戸田さん:関連して、施工管理に関しては近隣への配慮も大切にしています。駐車場管理会社だけでなく、当社からも近隣へあいさつさせていただく場合もあります。地域の皆様にできるだけご迷惑をおかけしないよう、地域に配慮した施工を心がけています。
-工期はどれくらいでしょうか?
戸田さん:規模にもよりますが、舗装と機器の設置で1週間から10日ほどが目安です。解体が入ればもう少し長くなることもあります。工事だけであれば、3~4日ほどですね。
-戸田さんはどれほどの件数に携わってらっしゃいますか?
戸田さん:当社で扱っている新設案件のうち、私は多いときで月に15件ほど携わっています。年間では150件ほどの施工管理を手がけています。それに加えて、機器の入れ替えや、解約時の撤去作業も関わっています。
「難しい案件は達成感もひとしお」
-これまでの施工事例で印象的なものは。
戸田さん:高い位置にある地盤でのコインパーキング施工案件は印象的でした。工程も多く、複雑な工事が必要だったんです。大変な作業でしたが、終わった時に「これは利用者さんに喜んでもらえる」という手応えがあり、やりがいが大きかったですね。
また、地下室をコインパーキングにした案件も印象に残っています。地下の設備を傷つけないように、慎重な作業が必要でした。いつも以上に緊張感のある現場でしたが、無事終えた時の達成感は大きかったです。
-土地オーナーさんと関わられることもあるのでしょうか?
戸田さん:施工中に様子を見に来られて、あいさつしてくれたり、差し入れをいただくことがありますが、非常に嬉しいですね。やはりお客様と関われる仕事はやりがいを感じます。オープン後、駐車場を見て「きれいな駐車場を作ってくれてありがとう」と感謝していただけることも多いのですが、その時はぐっと込み上げて来るものがあります。
-施工する立場から、駐車場経営を考えてる方に伝えたいことはありますか?
戸田さん:施工管理から近隣対応は、我々のような業者がしっかりと責任を持ってやらせていただきます。騒音を気にされる方もいらっしゃいますが、最近は対策も進んでいます。オーナーさんは近隣との関係性が深い方も多いので、ご迷惑をおかけしないよう時間帯等もしっかり配慮いたしますので、安心してお任せいただきたいと思います。
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